昨日、日本の「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に申請決定となるニュースが発表されました。

・文化庁HPより(2022.3.10)
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93678001.html

日本酒や焼酎、泡盛などのいわゆる”和酒”の酒造り技術は、こうじを使い、並行複発酵と呼ばれる独自の発酵技術が核となります。
そして、酒は『古事記』などの登場をはじめ、古くから日本に根差してきた食文化のひとつであり、生活文化に今なお深く根ざしていること等により申請対象となったそうです。

(出典:文化庁公表資料

3月末までにユネスコに登録を申請し、2024年に審査が行われる見通しとのこと。

2013年には「和食」が日本の無形文化遺産に登録されたのは記憶に新しいですが、「日本の酒造り」が登録されるのも期待しています。

私自身、家業が酒蔵であり、醸造に関して日本酒造りから入りました。
焼酎、リキュール、スピリッツなど他の酒類も製造するため、必然的に色々なジャンルの酒類製造技術を調べたり実際に造りもするのですが、確かに日本酒造りはその中でも最も労力と繊細さが求められるといっても過言ではありません。

しかしながら、日本酒造りの世界は外になかなか知られていないと感じますし、酒蔵見学をご案内すると、こんなに手造りだとは思わなかった!と驚かれることが大半です。


(出典:文化庁広報誌ぶんかる

酒造りの技術というのは、結構マニアックで異常に細かい部分だったりするので、コアなファンの方向けなのが今でも現実です。
だからこそ、今回のユネスコ申請(願わくば登録)をきっかけに、製造という局所的視点のみならず、文化という括りで再度捉え直すことで、伝え方にも広がりが出てくると思います。

その意味で、祭りや行事など歳時イベントと日本のお酒は古くからつながりがあります。
また、「和食」と同様、四季折々の自然と呼応した季節モノの概念は、日本酒でも重要な要素です。

従来、酒蔵はクローズドな傾向もありました。
しかし、今後の業界の未来を考えれば、酒蔵自身が酒造りを単なる製造作業と捉えることなく伝統文化の一環と認識し、次世代に向けてしっかり伝えていく意識を持つことが、重要だと感じています。

酒蔵見学も、全国各地で増えそうですね。

西堀酒造六代目蔵元:西堀哲也